原因は?
診察をしていて、「原因は何ですか?」と聞かれることは結構あります。いや、ほとんど全員が気にしていることかもしれません。しかし、私は原因を聞かれることに弱いので、どう答えようかといつも悩みながら考えています。
例えば目やにが出て充血することを治そうと思って病院に来てくれた人がいたとして、その原因を考えるのは結構むつかしい事もあります。結膜出血や角膜上皮下混濁を伴う典型的なウィルス性結膜炎でアデノウィルスが陽性であったときには確実に「はやり目」でありウィルス感染と言えます。しかし、ドライアイとかアレルギー、またはその他の要因がからまっていると予想されることも多々あります。目の表面を詳細に観察したり、涙液分泌を測定したり、アレルギーに関する検査をしたり、目の分泌物を細菌培養したりすることにより、大まかな区分けは可能かもしれませんが、自信をもって原因を伝えることができない場合も多数です。「原因不明です」と口にすることも多々ありますが、落胆されたり、少し怒られることもあります。
話は変わって、熱が出たときに、原因はわからないまま解熱剤を飲んで楽になった方は多いと思います。原因不明でも症状に対応することが正しい医療であることも多々あります。逆に発熱時の最初から微生物を探したり過剰な精密検査をする事は少ないと思います。もちろん長期間症状が改善されないときには慎重な対応も重要ではありますが。
また、中高年の患者さんに多いのですが、原因としてパソコンの見過ぎとかテレビの見過ぎを想像している(指摘して欲しい)方がいらっしゃいます。実際にこれらの画面を見ていて疲れることはあっても緑内障や網膜疾患の原因には成り得ません。逆に「目によい生活」「目を使わない生活」「目によい食べ物」をしていても多くの眼科疾患を避けることができないことも多いと思います。難しいことかもしれませんが、目に関しては原因や生活上のことをあまり気にせず、客観的に良く見えているかどうか、または、快適か不快かを考えて欲しいと思っています。
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